Q & A
パートナーズプロジェクトでは、法律・税務・社会保険に関して、日常よく出くわす身近な問題を中心にQ&A形式でわかりやすく解説しています。
ぜひ日頃の経営問題の解決にお役立て下さい。
2017.03 海外勤務者に対する事前準備
この度、本社の社員をA国にある子会社へ現地スタッフの教育係として1年間派遣することになりました。派遣までに、健康管理についてどのような準備が必要でしょうか。
事前の準備として、以下のポイントを参考にご準備をされてはいかがでしょうか。
1.健康診断の実施
労働安全衛生規則により、海外に6ヶ月以上派遣する者への健康診断の実施が事業主に義務づけられています。また、派遣される方が慢性疾患を抱えている場合、産業医への相談のうえで判断されるとよいでしょう。
2.医療保険の確認
先進国では、現地の公営若しくは民営保険、途上国では、海外旅行保険で支払うのが一般的となっています。
しかし、海外旅行保険の場合、国内で既に診断・治療を受けている疾患等については原則として給付対象外となっているため、自費もしくは日本の健康保険の「海外療養費制度」を利用することができます。
他にも事業主が、労災保険の特別加入手続きを行うことで、日本の労災保険を海外派遣者に適応させることができます。
3.現地の医療情報収集とワクチン接種
現在、インターネットで海外の医療情報を調べることができます。また、感染症関係の情報については、検疫所や国立感染症研究所のWebサイトなどでも調べることができるため、ワクチンの接種が必要かどうか、また、どのような物を接種すればよいかご確認下さい。
4.派遣者への教育
派遣前に生活や健康についての注意事項を説明しておくとよいでしょう。セミナーなども効果的かと思われます。
慣れない環境では、精神的な負担もあり、滞在中や帰国後においても継続的な対応が必要となります。万が一に備え、医療相談体制の構築もご検討下さい。