プロとしての意識
先日、テレビで小児臓器移植医の番組が放送されていました。
その医師のポリシーは「やるのではない、やりきる」。
番組内では、まだ幼い子供たちが移植手術というリスクのある手段を取らなければ生きられない環境に立たされ、悲痛な表情を浮かべた両親同伴の上で診察を受けています。
手術には当然リスクを伴うため、通常であれば口にするのは避けたく医師にとっても大きなプレッシャーだと思うですが、その医師は患者さん親子に「元気になる」と断言して、親子の不安を少しでも取り除くよう努めます。
その後、考え得るリスク等を全力で検討し、手術室に向かって行くその医師の後ろ姿に涙が溢れてしまいました。
法律の世界にも判断の難しい所謂「グレーゾーン」があり、その度に「この件はリスクがあって~」などとお客様への説明を行いますが、説明を受ける方にとっては決して気分のいいものではないでしょう。
プロとしての説明責任も勿論考えなければならないのですが、税理士という仕事で考えれば「条文をとことん突き詰めて考え抜き、過去の判例等も読み漁り、更に連動するリスクを全て拾いあげる。」といったところでしょうか。
お金を頂いて仕事をする以上、お客様の期待するものは「プロ」としての仕事ですが、ご相談頂くような内容はやはり悩ましい案件も多いのが正直な所です。
そんなご相談にも「問題ありません。任せて下さい。」と言い切れる日を目指し、精進しなければならないと改めて考え直した次第です。
プロフィール
野澤 和也NOZAWA Kazuya
- 税理士