「幸せの円」
みなさんは名義預金というのをご存知でしょうか。
簡単に言うと名義だけ別の人の名前になっている預金のことです。つまり預金の名義は奥さんや子供名義だけど、そのお金の元はお父さんが稼いだお金だったり、お父さんの預金口座から移動したようなものを言います。きちんと贈与といった形をとっているのなら良いのですが、こっそり子供名義の預金に積み立てをしてたり、専業主婦の奥さんに生活費として毎月渡していたお金を奥さんが貯めて、通常考えられないくらい大きな金額になっている預金も同様です。
家族が居るから頑張って稼げるのだから、お金は家族みんなのものであって誰か一人の物では無いよ。と言い切るのは良いお父さんのようですが、その温かい家族が、相続では凍り付くことになります。
名義預金は全部その出所の人、つまりお父さんの相続財産とみなされて課税されてしまうのです。相続税の調査で見つかる申告漏れ財産の第1位は現預金の金額で全体の1/3を占めています。
名義預金には時効もないので昔あげた事にも出来ません。
もちろん分割協議の対象にもなってトラブルの原因にもなります。
相続税や相続トラブルから家族を守る為にも、身の回りの整理だけでなく、預金整理も行ってあげましょう。
生前のお金の流れは残された家族では分からない事がほとんどだからです。
のちのち家族が申告漏れで余計な支払をしなければならなかったり、遺産分割でもめる原因を取り除いておきましょう。
お金を全部きれいな「円」にすると、家族の幸せも円周率のように永遠に続くかもしれませんね。
プロフィール
藤井 章雄FUJII Akio
- 税理士
- 行政書士
- ファイナンシャルプランナー