ファミリービジネスの事業承継
ファミリービジネス(以下、FBという)という言葉は、わが国ではあまり聞きなれていませんが、欧米では「オーナー家が経営に対して強い関与をしながら、雇用を確保する企業」として研究が進んでいるようです。日本の中小企業は殆どFBです。
このFBの事業承継を考えるには、「スリーサークルモデル」という考えがあります。
FBを1つのシステムとしてみたとき、「所有(オーナー)」「経営(ビジネス)」「家族(ファミリー)」の3つのサブシステムからできているという考えです。
これまでの我が国の事業承継は、出資金・株の移転、経営者の交代、自社株対策(税金対策)、後継者教育などの検討といった断片的な取組みがなされてきましたが、そのような対策だけでは真に永続できる企業体(事業体)となりえません。
100年、200年続く企業体(事業体)を実現するには、このスリーサークルモデルの「所有」「経営」「家族」の観点からの課題を解決しながら、新たな成長戦略を描き、永続できる仕組みも併せて整備していく必要があります。
プロフィール
江部 誠一EBE Seiichi
- 中小企業診断士
- 医業経営コンサルタント