人材不足と後継者難
経営者の悩みの多くは、人に関することである。売手市場のなか人材の獲得には賃金水準、休日や有給休暇取得率、残業など労働環境の整備が不可欠になってきている。しかし、体力のない中小企業にとっては上がり続ける雇用水準のハードルはきついものがある。中小機構の調査では、4社に3社の中小企業が人手不足を感じていて、そのうちの半数以上が「深刻」と答えており、深刻さは今後ますます増加してゆくのではないかと予想される。
事業の承継に関しては、ガイドラインやマニュアルなどの道しるべが相次いで公表されており、国が経営者の世代交代の停滞に大きな危機感を持っていることが感じられる。経営者が高齢化すると設備投資や人材採用意欲が鈍化してこれからの企業のチカラが衰えるからだ。
後継者の候補者も近年10年間では6割超が親族外だという。つまり採用難と人手不足の深刻さは、将来の後継者候補難の深刻さとリンクすることになる。採用活動は未来のバトンを託すかもしれない後継者人材との出会いの場と考えて臨む必要がありそうですね。
プロフィール
藤井 英雄FUJII Hideo
- 税理士
- 行政書士
- ファイナンシャルプランナー
- パートナーズプロジェクト税理士法人 代表社員