企業にとっての損失は、すべて決算書に反映されるでしょうか
例えば、飲食店でお客様がお店に入ってきたのに、怖い飼い犬がいたので席につかず帰ってしまった場合。
お店としては何も起こっていないので、決算書にこの事実が反映されることはありません。
しかし、比較対象を「実際に発生した損失」から「あるべき状況」に変えると、本来儲けられるはずの利益が得られなかった分を損失としてみることができます。これを「儲け損ない」とし、管理会計上は機会損失といいます。
機会損失には、具体的には以下のようなものがあります。
〇在庫がなかったために販売することができなかった
〇キャッシュレスに対応していないため顧客を逃した
〇すぐに契約を結ばなかったために契約チャンスを逃した
〇企業の不祥事や、ネットの風評被害による顧客喪失
機会損失は、企業にとって具体的な損失としてあらわれず、気づきにくいものです。このような機会損失(儲け損ない)を回避して企業経営を行うことが、企業の発展には不可欠となるでしょう。
プロフィール
清水 勝康SHIMIZU Masayasu
- 公認会計士
- 税理士