正しく効率化していますか?
OECD内での日本の生産性(正確には付加価値生産性)が低いので、業務の効率化をするべきだ、その為にはIT活用だという情報が様々飛び交っています。
しかしながら、業績(ここでは利益)の改善が見込まれそうもない「効率化」を盛んに宣伝している記事やコラムも良く見かけます。
例として、「IT導入により 〇〇時間の業務時間削減」という宣伝があります。
仮に、この作業を行っているのは固定費の人材で、この削減された時間が、売上や利益に貢献する時間に使われなければ、IT導入費用の分だけ利益は減少します。
すなわち、単に業務時間を削減したとしてもそれだけでは費用も下がらないし、売上も上がらないのです。
IPA(情報処理推進機構)の「DX白書2023」※を見ると興味深い日米のアンケート結果が記載されています。日本では、①DX活動の評価をあまりしていない ②DX自体を経営層が推進していない という2点が日米も大きな差になっているように見えます。
部分的な業務効率化は行っていても、経営層が会社全体として見ている訳では無いし、効率化が貢献しているか否かを評価していないとすれば、すごく勿体ないことだと思います。効率化やIT化は経営層が全体を見ながら推進してほしいな と思うこの頃です。
※https://www.ipa.go.jp/publish/wp-dx/dx-2023.html
プロフィール
山崎 勝雄YAMAZAKI Masao
- 中小企業診断士