郵便ポストが赤いのも
仕事がら、経営不振に陥った会社を数多く見てきましたが、その結果、確信をもってわかったことがあります。経営不振に陥る会社は以下の4条件のいずれかに必ず当てはまります。
・社内の整理整頓ができていない。
・経営者がおカネに細かくない(公私混同も含む)。
・すぐ外部環境のせいにする。
・リーダーシップが取れていない。
大抵の場合は、複数の条件に該当しています。1個だけということはまずありません。
50年以上も昔、「経営の神様」と言われた、かの松下幸之助が講演会を行いました。そこで幸之助は「ダム経営(どんな経済状況になっても会社が潰れないように、会社の財務基盤を強固なものとする)」の大切さを懇々と説いたのだという。そしてその講演会には、なんと京セラを創業したばかりの稲盛和夫もいたのです。最後の質疑応答で手を挙げた彼は、「どうやったらダム経営ができるようになるのでしょうか?」と真剣な気持ちで質問した。それに対する幸之助の答えが振るっている。「そりゃーあなた、ダム経営をしようと決意することですよ」。まるで答えになってない、と思うかもしれない。でも経営の神様は「郵便ポストが赤いのも、カラスが黒いのもすべて自分のせいだ」くらいの覚悟で、強いリーダーシップを持って会社経営を行えと言いたかったのだと私は理解しています。あなたはどう思われるでしょうか?
プロフィール

松田 敏之MATSUDA Toshiyuki
- 公認会計士
- 税理士