IT導入は生産性向上の魔法の道具か?
働き方改革や人手不足、OECDの調査などから「生産性向上」が叫ばれおりそれに伴いIT導入や機械化が推進されている。しかしながら企業支援の現場にいるとIT導入が企業業績に貢献している例はかなり少ないと言わざるを得ない。うまくいかない事例を分類してみると概ね下記であろう。
- そもそもそのITシステム導入したとしても、一部の生産性向上には寄与するが業績(付加価値生産性)にはそれほど貢献しそうもない。その割に投資が高い。
- IT導入により生産性が上がる部分にばかり目が行くが、導入に伴う副作用(別の業務の増加や外部への委託増加、IT人材不足で制限が出るなど)の影響を見落としている
ITシステム自体は良いモノで業績にも貢献しそうだが、社内に徹底できていない、或いはうまく運用されていない - 素晴らしい包丁を手に入れたら料理が上手くなるかと聞かれたら皆さんNOと言うだろう。ITも道具でありそれと同じことである。
社内の課題をしっかり分析し、部分的ではなく全体との関係を考えて道具を選び、その道具が使いこなせるまで組織内に浸透させていくことが必要なのである。
プロフィール
山崎 勝雄YAMAZAKI Masao
- 中小企業診断士