Q & A
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2016.03 自筆証書遺言と公正証書遺言の違い
昨年12月に父が急死し、荷物を片付けていたら、遺言書が3通出てきました。2通は自筆で昨年10月(遺言①)と11月(遺言②)に書いたものですが、11月に書いた遺言書には日付が書いてありません。もう1通は昨年2月に作成された公正証書遺言(遺言③)でした。
どれが、遺言書として有効でしょうか?
遺言書として有効なのは自筆で書いた昨年10月(遺言①)の遺言です。
(1)亡くなった方が、生前、4死亡後の遺産の処分を記したものが「遺言」です。
(2)遺言があると、法律で決められている法定相続分よりも、優先します。すなわち、遺言の内容が、最優先(1番目)となるのです。
(3)この様に法定相続分に優先する「遺言書」は、法律で決められた方式・要件を完全に満たす必要があります。要件の一部を欠くと、遺言としての効力が発生しないのです。
(4)自筆証書遺言の要件です。遺言者が全文・日付・氏名を自書し、押印しなければなりません。設例の遺言②は、「日付」がありませんので、無効です。
(5)また、同一人が複数の遺言を作成した時、新しく作成されたものが有効とされています。
(6)注意してほしいのは、自筆証書遺言も公正証書遺言も、効力に違いは無い事です。
(7)(5)と(6)から、設例では、遺言①が、遺言③に優先する事になります。
(8)いずれにせよ、遺言書の原本・正本を持参して、専門家に相談して下さい。
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