Q & A
パートナーズプロジェクトでは、法律・税務・社会保険に関して、日常よく出くわす身近な問題を中心にQ&A形式でわかりやすく解説しています。
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2018.08 内縁の配偶者の相続権
私には、10年近く内縁関係にあるパートナーがおり、同じ家で夫婦同様に暮らしています。将来私が亡くなった際、パートナーが相続できる権利はあるのでしょうか。
残念ながら内縁の配偶者に相続権はございませんが、遺言書に、内縁の配偶者に財産を分け与える旨を書くことで財産を残すことは可能です。
今回のように、10年近くともに同じ家に住み夫婦のように暮らしていたとしても、内縁関係の相手が法定相続人になることはできません。民法で定める配偶者とは、婚姻届出を済ませている者を指しますので、この婚姻届出を行っていない内縁配偶者は相続権が認められないことになっています。
ですので内縁の配偶者が相続人となって財産を相続することはできませんが、遺言書に内縁の配偶者に財産を渡す旨の記載をすることで、残された相手にも財産を残すことができます。
ただし、ほかに相続人がいる場合、財産全てを内縁の相手に渡すことはできず、相続人から遺留分(相続人が最低限もらうことができる相続分)を主張され、争いになってしまう可能性があります。
内縁の相手に、遺言書で財産を残したい場合には、ほかの相続人とのバランスや遺留分を考慮して、遺言書を作成された方が良いでしょう。
遺言書の作成方法や遺留分の検討など、難しく分からないようであれば、専門家である弁護士や司法書士を利用して作成することをおすすめします。
参考文献<民法第890条> <遺産相続実務研究会『実務マスター遺産相続事件』新日本法規>